第5話 闇からくる

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人からきいた話である。 その友人は倉庫で商品の梱包を行う仕事をしていた。 倉庫には当番制で最終作業という物が回ってくる。 それは、もう人がいないかの確認や、全ての扉を閉める作業を行う 昼は人の多い倉庫も、夜になると広いせいもあり薄気味悪かった。 友人が一通り、見直しが終わり帰ろうとしているとふと視線を感じた。 もう、人はいないはずふと視線を感じた方を見ると・・・・ 商品の箱と箱が積み重なった間に黒い影が座っていたらしい。 声をかけようと思ったが、違和感を感じた。 倉庫の電機はまだ点いており、商品のロゴは照らされている。 しかし、その影だけは黒いままなのである。 ただ、目だけはこちらをじーっと眺めている。 薄気味悪いな、もう帰ろうと思い電気を消した瞬間― だだだだだ――― とその影が一目散に自分めがけて走ってきた。  驚いて急いで電気をつけると影はいなくなっていた。 それ以来、倉庫でそういった経験はなかったが、あの時もし捕まっていたら と思うと冷や汗が止まらないらしい。
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