第6話 ずっと見ている

2/4
前へ
/14ページ
次へ
 私の地元に霊能力者の方がいる。 その方は人の前世とかが見えるらしく、毎日、何人もの方が見てください、とやってくるらしい。 その力が本当かは定かではない。 しかし、母親が会いに行ったところ、会ってもいないのに私の心臓が悪いことをいいあてたそうだ。  その人は霊感がすさまじく、常日頃、霊を見ている。 その人、いわく霊はどこにでもいるし、見えているとわかる と助けを求めてくるらしい。  夜、寝る前は、特に嫌だそうだ。  霊は明かりが苦手らしく 電気を点けっぱなしにして寝る。 明かりのおかげで霊は近くに寄って来そしないが、代わりに暗がりから ジーーとこちらを見ているらしい。      部屋の向こうの廊下から、押入れの隙間から霊はこちらの様子をジーーと伺っている。 その人は禄に眠れなくなり、結局、今では仕事を引退してしまった。
/14ページ

最初のコメントを投稿しよう!

5人が本棚に入れています
本棚に追加