恋音

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恋音

 どうやら私は恋に落ちたらしい。  よく恋に落ちるのは一瞬だと言うが、驚くほど一瞬だった。  恋に落ちる音など聞き取る間もないほど一瞬で、落ちた時には、落ちる前の状態を忘れさせる。  そして時に胸を傷める。  何かひどいことを言われたわけでもなく、ただ彼を好きすぎて心が痛くなるのだ。  きゅぅぅっと痛くなった胸を感じて、再び自分が恋に落ちたことを再確認して、くやしいながらも恋をしていることを自覚せざるを得なくなるのだ。  恋ってどんなものだっけ?と、恋に落ちる前はよく考えるものだが、  いざ落ちてみるとあっけもなく、  勝手に自覚するのだ。これが恋だと。  彼がいてくれるから毎日が楽しい。  彼に会える週末があるから嬉しい。    彼がほかの女の人と仲良くしてると悲しい。  彼に会えなくなると寂しい。  すべてが「恋」。    
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