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「撫で斬りが…ですか。」
ごく手短に、柊平は今、百鬼夜行路への案内が難しいかもしれないことを話す。
「刀が使えんのは、まずいんとちゃうか?」
今回は特に…、と付け加えたのはコマだ。
「使えない訳じゃないんだけど…。」
「でも、怖いんだよね。」
夜魅に言われ、柊平は眉間にシワを寄せる。
いつもなら言い返すところだが、実際、何も起こらない自信はない。
しかし、期限は明日の夜。
こんな時に限って時間がない。
「柊平、八坂さんの椿を見に行こう。今回の手順を説明するよ。夜の方が見えやすい。」
「見えやすい?」
「うん。ちゃんと見て、柊平が決めるしかない。」
「撫で斬りは?」
「今はいらない。悠真とコマが居るのも、今回はちょうどいいかもしれないね。」
夜魅がコタツの上に乗り、一同を見回す。
「タダ働きはせんで。」
憮然と応えたのは、コマだった。
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