半分開かれた社会の窓の崩壊

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「あの~」  そこに野太い、けれど自信なさげな声が耳に入ってきた。  なんだろう? ゆっくりと頭を上げると、ぼやける視界にズボンのチャックが半分開いた男の人が立っていた。  嘘!? こんな真っ昼間から!! わたしの頭の隅で危険信号が激しく点滅しだす。そう言えば、近所で不審者が出たとかのお知らせを読んだ気がする。 「あの~」  またしても声が呼びかけてくる。もう。『あの~』だけじゃわからないじゃない。最後まで言ってよ。  かといって返事をする気力もない。 「そんなときは、この怪傑ジャッジちゃんにお任せよ!!」  どこからともなく声が聞こえた。  ふと視点をずらすと、砂ぼこりを巻き上げて、変な女の子が猛スピードで駆け寄ってきた。やたらとフリルのついたワンピースのスカートがめくれるたび、目がチカチカするような縞パンツが垣間見える。なんだか見てるこっちが恥ずかしくなってきた。  というか、だれ?
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