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病院に着くと、助産師が迎えてくれ、母は、待合室に誘導された。 一人、「陣痛室」と書かれた部屋に通され、誰もいない8台の簡易ベッドが並ぶ部屋の一台に寝かされて、助産師がいつもの機械をお腹に巻きつけ、出血具合を確認する。 「今、先生に連絡してるので、大丈夫だから寝たままで少し待っててねー。お母さん待合室にいるから、呼んできますねー。」 「すみません。お願いします。」 すぐに母が心配そうにベッド脇まできた。 『どうぞ、こちらで、お待ちください』 「すみません」 助産師が椅子を用意して去って行ったので、母は腰掛けた。 「大丈夫なの?」 「わかんないよ。先生に連絡してるって。」 しばらくして、慌ただしく、パタパタと足音が聞こえて、音の方を見ると私服の市川医師だった。 「先生!」 『ビックリしたよね、状況は聞いてます、一応診察しましょう。』 内診室で診察を終え、陣痛室のベッドに戻ると、今度はエコー検査機で、腹部を診察した。 市川医師は、いつもの定期検査のように母にも見えるように赤ちゃんの画像をモニタに写して説明してくれた。 「これが、頭で、お顔、背骨、足、お腹は…心臓…とっても元気だね。サイズも測るよ、想定体重も…」 そう言って、カルテを確認しながら、 「こないだから、500グラム変わったかな、2500グラムにのったけど、僕でも誤差もあるから数十から100グラムくらいかな。子宮口もまだまだだし、入口の方で、出血してたけど、心配いりません。ベビーのサイズが誤差があるので、2600から2700まで持ってくれたら、安心かなってところで、万が一2500グラムいかないと、ここでは赤ちゃんと一緒に退院できなくなって、小児科のお世話になってしまうんで、帝王切開は、予定通りで、今日は帰って頂いて大丈夫です。」 「え??出血したのに、帰って大丈夫ですか?」 すかさず母が聞き返した。
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