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「そう言うことなら、先生を信じてお任せします。私もこの子を未熟児で産んだので、県立こども病院で二ヶ月入院してますし、長女も、産んだあと、総合病院で赤ちゃんだけ入院して、大きくしてもらってから退院してるので、小さい赤ちゃん産む大変さは、わかります。後のことまで考えていただいて、ありがとうございます。」 母と市川医師とのやりとりを聞きながら、先生が私服で、慌ててきたことを思い出した。 「先生、すみません、もしかして、今日、私のせいでお休みだったのに、呼び出されてしまった感じですか?」 『いえ、休みのようで休みじゃないオンコール日だから、大丈夫ですよ。今夜これから帰宅しても、何かあれば、また休みでも駆けつけますから、安心して、お正月迎えてください。』 オンコールって、やっぱり休みだったのに、彼の紹介してくれたつてもあって、担当指名だから、休みなのに駈けつけてくれたんだ。そう思ったら、より市川医師への信頼が高まった。 「今日は、ありがとうございました。あと数日ですが、宜しくお願いします。」 先生に感謝して、母と帰宅途中で、彼にメールを送った。 「ごめん、出血大丈夫だった。 手術は、予定通りです、また何かあれば、連絡するね。とりあえず、入院もなく、帰宅できることになったので、帰宅中。」 返信もなかったので、緊急連絡先に連絡しなかったから、一連の流れを知ることになるのは仕事のあとなんだろうけど、彼が途中でメールに気付き、慌ててこっちに向かって来ていなくて、良かったと思った。 本当に何かあるときは、メールじゃ気づかないことも知っていたから、敢えてメールにしといたけど、このままオペにならなくて、一安心した。 それからの数日間、いや正確には、9日間は、陣痛こないでーと祈りながらのビクビクの日々で過ごすことになるのは、言うまでもないのだが…。
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