なにか聞こえる

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俺は納得のいかないことを整理してみようとして頑張って考えてみるけれど、うまくまとまらなかった。 腕を組んで『んー』と唸ってみるけど、ダメだった。 コハクの方を見てみると顔を洗うみたいな仕草をしていて、ちょっと寛いでる感じだった。 ――いや、ここ、俺ん家なんですけど、一応。 「んー、聖は、ちょっとチカラが不安定なのかな?」 コハクは動きを止めるとそう言った。 「チカラ?」 「そう、僕たちの声聞こえるでしょ?そのチカラ」 ――これって、『チカラ』なんだ、ふーん 「どうしてだろうね、ここに住んでるってことは緋方さん家の子でしょ?」 「・・・・・・まぁ、緋方と言えばそうだけど、俺の今の名字は山田だから」 その俺の言葉にコハクはこっちを見て目を瞬かせた。 「え?山田?」 「そう、母さんの方の名字だから」 「・・・・・・その名字は聞いたことない」 「ん?」 コハクが言ってることが分からなくて俺も見つめた。
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