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俺の職場はまあまあ遠い。
家から駅まで歩いて20分。
地下鉄に乗って30分。
元々はそんな遠くなかったんだけど、ある事情でこんなことになった。
そんな俺の職場は、古着や若い人が作り上げた服なんかを扱うショップだ。
高校の先輩がやり始めた店で、俺のことを『オシャレなやつ』と認めてくれていたらしく、高校を卒業してすぐ雇われた。
経営者である先輩は、買い付けに行ったりもするからそんなに店にはいない。
だから、店番をしていることが多いのは必然的に俺になる。
でも、俺だけじゃなくて他にも店員はいる。
それは先輩が声をかけた同じ高校の後輩だったりするから全然気兼ねはいらない。
そんな職場と家を往復する平凡な毎日を過ごしていた。
ただ『不思議』なことはちょっとばかし起きてはいたけど、気にするほどじゃない。
――いや、なかった・・・・・・はず・・・・・・だったんだけど・・・・・・
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