「なにか聞こえる」 不思議はいつもそこにいたシリーズ１

なにか聞こえる

次の日の朝、目覚ましが鳴る前になぜか目が覚めた。
それは、どうしてか？
・・・・・・カサカサと音がしたからだ、庭から。

俺の家の庭はまあまあ広い。
だからというわけではないけど、石を敷いてる所や池のあるところ以外は木や雑草やなんかも生えっぱなし。
その中から音がしているらしい、カサカサと。
俺ん家の猫や近所の猫なんかも時々通るけど、そんな音はしない。

昨夜のこともあるから、恐る恐る窓に近づく。
網戸にカーテンを引いてあったから、そのカーテンの裾を掴む。
一気に開け放った――

が、そこにはいつもの庭が広がっていた。
カサカサという音も止んでいて、変わった物は何もなかった。

一つ溜め息をこぼして、仕方がないから、大人しくその日は仕事に行った。