39人が本棚に入れています
本棚に追加
「……協力?」
この怪物を倒す協力ってことか?
そんなこと、出来る気がしないぞ?
「こいつはある特定の武器でしか倒すことは出来ない。君は剣術の心得はあるか?」
「剣術? そんなのある訳ないだろ」
「ないのか……。じゃあ運動神経はいい方か?」
「……多分」
そりゃ体育の授業はそれなりに出来るが、自分で運動神経はある方だ! 何て自負する奴はよっぽどだろ……。
何て思っていると、それなら大丈夫だと白猫が言った。
まだ尻餅付く俺に飛び付いてくると、咄嗟に両手で受け止める。
「私を使って、あいつを倒せ」
「私を使うって――」
最後まで言葉を言う前に、白猫の体が光り出した。
眩しさに目を細めゆっくり開くと、手の中に1本の剣があった。
それはフェンシングで使われる剣によく似ている。
あそこまで細くはないが、手の中にあるのも刃の細い物。
銀色ではなく白味が強い白銀色をしており、柄と鍔(つば)は赤い。
鍔は天使の羽のようなモチーフになっていて、レイピアにそっくりな剣だった。
最初のコメントを投稿しよう!