白猫の女の子

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 ふんわりとした雰囲気を纏う女の子。  胸までの茶色い髪を揺らし、教室の中に入って来た。  大きくはない。だけど女の子からすれば背の高いその子は、くるりと俺達の方を向く。  ふわふわの髪を弾ませたその子を見て、ハッとした。  快晴の空のように、突き抜けた青い瞳――。  天色(あまいろ)を思わせる色の目に、静かになっていたクラスがざわつき出す。 「外人さん? ハーフさんなのかな?」 「あの子めっちゃ可愛い」 「青い目、綺麗だね~」  ぱっちりとした大きな瞳が似合う、華やかな顔立ち。  皆がざわつくのも納得の可愛さで――背後にいる周平は、違うところに興奮している模様。 「何、あの子……。おぱ、おぱ……」 「うん。それ以上は口にしないようにな」  僅かに背中を後ろに傾けて、予め注意しといてやる。  でもまぁ……それは周平だけでなく、他の男達もとろんとした視線を向けていた。  やって来た転校生は可愛さだけでなく、胸も大きい。  白いブラウスシャツのボタンは上まできっちり止められていたが、とても苦しそうに、今にも弾けそうだった。
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