39人が本棚に入れています
本棚に追加
そう告げる彼女は真剣な表情をしている。
八城の話もだが、俺自身も訊きたいことがあった。
「あのさ――」
「キーンコーンカーンコーン……」
言葉を遮るようにチャイムが鳴り出した。
昼休みが終わり、5分後には5時間目が始まってしまう。
チャイムを聞いた八城は手を放し、またぶぅと口を尖らせた。
「にゃ~学校と言うのはめんどくさいなー」
朝のHRからそうだが、彼女は早く話をしたくて仕方ないらしい。
「もうちょっとしたら授業は終わる?」
「あぁ。後2時間程で終わるよ」
「分かった。じゃあ終わったら話を聞いて欲しいにゃ」
約束だにゃ! と念入りに言ってきたので、分かったよと答える。
八城は「じゃあ残りも頑張るぞー」と伸びをすると、にこっと笑った。
「新、戻ろう」
そう言ってまた俺の手を取ると、廊下を走り出した。
最初のコメントを投稿しよう!