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「じゃあ終わるぞ」
化学の教師である木島は書いていた手を止め、さっと授業を終わらせる。
そのまま教科書などを持って、教室から出て行った。
それと同時に訪れたのは昼休み。
瞬時に教室内は騒がしくなった。
「いやぁそれにしても、よく寝てましたなぁ」
ぱっちり二重の大きな目を細めては、からから笑う周平。
「いつから寝てた? 俺」
自分の椅子を後ろに向けて訊ねる。
昨日はいつも通りの時間に寝たし、授業中に眠たいと思った記憶はない。
それなのにいつの間にか寝ていて、夢まで見てしまっていた。
「授業の中盤当たりぐらいには、俯いていたよ」
周平とは違う、クールを兼ね備えた低い声。
そちらを向けば眼鏡を掛けた男がやって来た。
「確かに、半分くらいから肘付いていたかな?」
視線を斜めに上げ、周平が思い出しながら言う。
眼鏡を掛けた男は周平の隣の椅子を引っ張って来て、そこに座った。
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