白猫の女の子

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「授業中に寝るなんて。疲れているんじゃないか?」  心配そうにこちらを見るのは、もうひとりの友人。  前田啓介(まえだ けいすけ)。  長めの黒髪に眼鏡を掛ける彼は、学年1の秀才。  常に成績はトップをキープしており、テスト前にはいつもお世話になっている。  見た目通りクールな奴だが中身は熱い、俺の良き理解者だ。 「何々、昨日の夜さてはぁ……」  そう言ってにへらと笑う周平。  茶色いサラサラの髪。全体的に短く、後ろは刈り上げになっている。  子犬のようにつぶらな大きな瞳の、見た目可愛らしい奴だが、中身に少々難がある。 「昨日はrairi(ライリ)ちゃんのグラビア集の発売日でさぁ。俺も昨夜はそれを見ながらシ――」 「お前と新を一緒にするな」  べしっと頭を叩く啓介。それに頭を上げた周平は、何するんだよ! と大声を出した。  ――少々の難と言うのは、周平が『ド』が付くエロと言うことだ。
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