アフィーとこどもたちの思いえがく世界

アフィーのあくびのひとかけら

　海は、大人たちが知っているような青か、あわいみどりのそれではない。

まるで、コハクがとけだしてそのまましお水になってしまったかのように、ぶくぶくとあわをうかべるそれは、こがね色にきらめいていたのだった。

海に住まうどうしょくぶつは、こいピンク色にその全体をそめ上げている。

　サクラガイのそれは、大人たちが知っている色よりもじゃっかんそのえのぐの色を足したかくらいのものだが、サクラコンブもサクラヤドカリも、サクラアメフラシもサクラミノカサゴも、みょうにどくどくしいほどのショッキングなピンク色のえのぐをその身体にまとっていたのだった。

この世界のせんねんサンゴも、ほんとうは大人たちが知っているものとは違い、にじみたく七色にはかがやいておらず、コハク色のえきたいの中でただのショーケースにならんだ宝石のごとくピンク色のえだはをのばしてただよっていたのだ。