（仮）8人の魔法使い

1

やれるもんならやってみろと言わんばかりに鼻で笑う拓海。

そんなやり取りをしている内に拓海の家に着く。

「久々に来たけど、相変わらず大きい家だよね。拓海の家。4人家族のくせに。」

目の前に広がる光景はまるで絵本の世界からそのまま引っ張って来たような豪邸。

紅凰家は五師族のうちの１つであり、深雪達の街の領主でもあるのだ。

一般家庭よりは裕福であるが、そんな深雪からしても本来は住む世界が違うのではないか？と思うほどである。

(なんでお母さんはこんな家の人と親友になれたんだろ？まぁお陰様で私は拓海に弄られるムカつく生活を送らざるを得なくなってるんだけどね。まぁ拓海のお母さん優しいし、拓海の愚痴を唯一真剣に聞いてくれる人だから大好きなんだよなぁ～?)

「あ、そういえば楽しみにしてるところ悪いけど、今日ウチも親いないから(笑)
どうせうちのシェフがご飯作るからお袋も安易にお前のことを了承したんだろうな～。あ、でも、、、」

ルンルンと顔に書いてあるんじゃないかってくらいにわかりやすい深雪に突然横から矢が突き刺さる。

拓海の後半の話なんてまったく耳に入っていなかった。