+3人の奇行+

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早い話、ウザかった。 俺はスタッフをしている。 ファン達とバンマンの間に立ち、規律を敷く役目をしていた。 ファンには平等に接し、バンマンには過度に干渉・馴れ馴れしくしない事がスタッフとして最低条件で必要な事。 こんな最低限の事が出来なければ、関係者やファンに信用もされない。 仕事が出来るのは当たり前の話やけどな。 仕事が出来ても中身がちゃんとしてないと崩れる訳だ。 俺の立場を知ってか知らずか彼女達は馴れ馴れしい。 それについてあまり相手にしないようにしていた。 相手にすると、相手の思う壷。 馬鹿にされた態度を許したままだと、他のファン達に示しが付かない。 それに他のファン達もそれ見て舐めてかかる。 そうなるとバンド自体軽く見られるからだ。 特別な存在を作るなんてもっての他。 ファン達から嫌な目で見られ、バンドから離れていく。 悪評が立つのもまずスタッフの態度からなのだ。 〔バンマンと女の子の間の問題は個人で解決して貰うしかないが、その場合は問題になる前に摘み取る。 でなければ、スタッフの手腕が問われる。 バンマンがいい加減ならば、ファン達を近付けなければいい話やからな。〕 アマだろうがインディーズだろうが金を取ってるなら、その責任を背負うのは当たり前。 ステージ上で違う世界を魅せる為ならば、ファン達に取って特別な存在でいなければならない。 その逆も然別。 特別な存在でいなければ、ステージ上で輝く事も出来ないからだ。 スタッフは簡単な様に見えてそうでないねん。 その距離が難しい。 彼女達は観に行ったライブにたたまたま俺がいた。 そしてスタッフをしていた。 知り合いがいるからと地元のライブに行き易くなったのかも知れないが、態度がオカシかった。 友達だからと妙に馴れ馴れしく、俺に付き纏って離れる事がない。 俺はバンマンにやられるよりはマシやと思い、適当にあしらいながらも仕事をしていたがファン達から苦情が出たのだ。 俺は知らない所でやったのか?と思ったが、そっちではなく俺に付き纏ってる事についての苦情だった。 俺、バンマンやないんやけど…………… 『あの人達…友達なんですか?』 『○○さんにずっと引っ付いているから○○さんと話したくても出来ない』 『あの人達新規のくせに態度デカイ』 『○○さん欝陶しくないですか?』 『私、あの人(A奴)に睨まれた……』
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