序章

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腹も減ったから俺は自分の食べ物を買い出しに向かう。 それに付いてくるY。 「それ、煮物用よ?」 鯖を取った俺を辺りに聞こえるように馬鹿にする。 作れるから手に取るのであって、作れなきゃ買わねぇよ。 帰宅したら奴まで帰宅してきた。 そのまま出てってくれないかと言う淡い期待も消し去る。 そして、まだ支払われてない衣装代を言った。 「バイト代が明後日入るからそれが入ったらね。支払うってんのに煩いなぁ」 いや、支払うってアンタ東京行くでしょが。 だから今回支払ってくれなきゃ俺の生活がヤバい。 ご飯を作ってたらYはコンビニでご飯を買わず、俺に味や食べ物の好き嫌いについて注文をしてきた。 それに俺はびっくりした。 お前、食べる気か!? 結局、俺が作ったご飯はYに横取りされた。 そして作った物についてもまた評価する。 「ふ~ん?まぁこんなモンよねぇ?ちゃんと食べ物だし」 美味いって素直に言えよ。 じゃなかった、俺はシェフじゃない。 なんで人に対してそこまで図々しく出来る? 流れからして、俺従者だよな。 何処のお嬢様やねん。 ジャイ子の間違いだろ。 洗い物をしないYに腹立つが、汚いのが嫌いな為、俺は洗い物をしていた。 その間に眠くなったYは、 「ねぇ、眠くなったんだけど」 とほざいた。 「布団そこにあるから勝手に敷いて寝ろ」 と言った。 洗濯物を回し戻ってみたら、布団も敷かずソファに凭れながら大口開けてイビキかいてるYの姿。 が……我慢…衣装代払って貰ったらさっさと縁切ってしまえばいい!!と思ったが、蹴りを一発食らわして起こした。 「布団を敷くから退けや」 「…ちょっと、この私に蹴り食らわしてただで済むと…」 「煩い」 低く言って布団を敷くとYは当たり前のように布団に潜る。 そして、 「私朝からバイトだから起こしてね。後、朝食もお願いね。あ、私和食派だから」 そう言い残し寝た。 マジいっその事殺してやろうかと殺意が芽生えたのは言うまでもない。 俺は仲居さんじゃない。 ましてやここは旅館でもない。 夜ご飯を横取りした挙句、朝ご飯強要とか何様? しかも食費を一切払ってない。 俺のなけなしの生活費をYは問答無用で使う。 そして布団は一つしかないのに遠慮する事もなく、して貰って当たり前な態度で居座っている。 Yの地震のようなイビキで俺は一睡も出来なかった。
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