序章

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ある日、地元で結構デカいライブが開催された。 所謂V系祭りみたいなモノ。 俺は何故か呼ばれた。 スタッフとしてでは無いが、何もしなくて良いと統括していたRが関係者としてBSパスをくれた。 待遇も待遇だが配慮してくれたのかRが連れとしての事。 数少ない唯一信頼する仲間に俺がいて、その俺を側に置いていたのもその表れだと思う。 Rの考えをいち早く察知し、更に同じ思考していた俺には本音を打ち明けていた。 統括する立場として、バンド関係では俺以外のバンマンやファン皆にタメ語を許さなかった彼。 気苦労も絶えなかった事だろう。 ライブ前か皆がピリピリする中、違うピリピリ感がある事に気付いた。 それはライブが終わった後に知る事になる。 そう、原因はYだった。 Yが何をしたかは知らない。 しかし、結構な規模で苦情が上がっていた。 俺を竜太郎と呼んでいたVOがYを可愛がっていたのに、ボロクソのように文句を言っていた。 それにびっくりして、何があったかなんて聞けなかった。 「ブッサイクの癖してなんなんだアイツは!?あのクソデブ…竜太郎、お前もそう思うだろッ?!」 「アイツ終わってますよ」←コラ 「だろッ?!マジムカついたし!」 「俺も散々酷い事されましたから…」 「お前もッ?!」 周りにはバンドマンばかり、総勢20人程…… それは今回参加した人数であり、もしかしたら今回参加してないバンドの中にもYの被害者がいるかも知れない。 スタッフをしていたバンドからもYに対して散々な評価であった。 やはりYは俺以外にも皆に不当な扱いをしていたみたいで、中には人の名誉を使い威張り散らして問題を起こしていたらしい。 その人が築き上げた栄光をYは自分の物として他者に使い、その行為で栄光と名前が悪名となってその人に返ってきたのだ。 汚された、と本人は嘆いた。 Yがした事はここに書けないような事をしている。 早い話書くのが面倒というのもあるが、酷過ぎて悪事も多く書ききれないのが本音だ。 俺は衣装代の殆どを踏み倒され、生活自体出来なくなりかけた事もあり、皆がYを非難しても俺は庇う事もしなかった。 むしろ、俺が経験した事が皆の口から出た事もあり否定も出来ない。 そして当時の地元バンドマンからYは相手にされなくなる。
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