第1章 姉の幸せ、私の違和感。

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「ちょっと、あやね!あんた見すぎだよ!はやくお茶出してきて」 母に言われ我にかえる。 そりゃあ、あんなにイケメンきたら見ちゃうでしょう。 仕事は大手企業の副社長、いずれはお父さんの会社を継ぐらしい。年齢は32歳で姉とは3歳差かぁ、、丁度いい。 なにこの完璧な感じ、、 その隣にいる姉の幸せそうな顔をみると、まぁ嬉しい気もするような、イライラするような。 「どうぞ~(愛想笑い)」 とりあえず笑顔でお茶を出す。 「なんの御構いもできませんで、すみませんね~」 「いえいえ、急に今日お伺いすることになってしまってすみません。これ少しですがどうぞ」 そう言ってイケメンは菓子折りを母に渡した。 よくテレビとかでみるよね~こうゆうの~。 で、父は無口を貫く。まさにその状況。 「まさかこんな素敵な方とお付き合いしてるなんて、びっくりですよ~ご迷惑かけてませんか?」 意味深な言い方、、ほんとご迷惑かけてないのだろうか。 「全然迷惑なんて、、いつも明るくて一生懸命な美和さんに力をもらってます。」 へぇー。付き合ってどのくらい経つのこの2人。 「あたしもいつも彼の優しさに癒されてるんだ。ほんといい人なの」 よくよく見たらお姉ちゃん化粧も薄くなったし、服装も落ちついた。この人のおかげなのかな。 「あら素敵ねー。良かったわぁ。お母さん安心した。ね、お父さんもでしょ?」 無口貫く父を見かねて母が聞くと父は重い口を開いた。 「結婚を前提に付き合ってるのかな、2人は」 うわぁーいきなり本題きた。 「もちろんです。まだ付き合って半年ですが、いずれは結婚したいと思ってます。まずは美和さんのご家族にご挨拶してからと思い、今日お伺いさせていただきました。」 イケメンで誠実、こんなしっかりした挨拶されたらみんな言うことない。 「そうですか。よろしくお願いしますね、美和を」 和やかなムードに包まれ、トラブルメーカーな姉が落ちつくことに安心したような父と母。 人との出会いでこんなに人は変われるんだ。
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