第3章 謎に近づくとき

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ふわっした感覚と、ゆっくりな瞬きとともに光がうっすら見えて自分の今の状況を把握しようと目を開けて周りを確認した。 なんか見たことのある場所。。。 そして隣の部屋で聞こえる声ではっきりとした。 ここイケメンの部屋じゃん… いまの状況を把握し、起き上がる。 イケメンが電話で話す声に意識が集中する。 「…まだ分からない。何回かは危ない目にあってるけど何とか回避してきた。あぁ…分かってる。」 仕事の話?それにしては重い感じ。 「俺に気持ちが向いてきてるのがわかると、また同じことが繰り返されるんじゃないかって不安になる。それに美和も勘付いてる気がして…。」 話が怪しい感じになってきたところで、盗み聞きしてるのが申し訳なくなってきた。 でも姉の名前が出てきた時点で、あたしも無関係な気がしなくて、隣のドアに近づいてしまう自分がいる。 「…ほんとにこのままで、運命が変えれるのかは分からないし、何よりほんとの気持ちを隠して生きるのが辛くなる。いま隣で寝てる…。寝顔が懐かしいよ。」 あたしのこと? イケメンの話は理解しがたいものだったが、 なんだか自分のことを言われてるように感じた。 「とりあえずそろそろ切るよ。また連絡する。」 やばい、こっち来る! 急いでソファに寝転び、さっきと同じ体勢に戻って目を瞑る。 予想通りイケメンが寝ている自分に近づいて来るのが分かった。 ソファのそばに座り、視線がこちらに向いてるのがわかる。 おでこに手の暖かさを感じ、髪を撫でられる いま何でこんなことされてるのかと寝たフリをしながら感じていながらも幸せを感じていた。 やばいドキドキして体温があがる。 起きてるのバレないだろうか。 そのときイケメンは呟やいた… 「ずっとそばにいて。あやね。」 悲しげな声。 これは夢…? 私の頭の中が一瞬でパニックになってしまった。
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