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「歩き回ってたらお腹空いたな。焼肉食べに行こうか」 「行く行く。真ちゃんのおごりね!」 「ちゃっかりしてるな、杏奈は」 歩き出した私の右手を握りながら、真ちゃんがもともと細い目をさらに細めて笑う。 夕食が済んだら、真ちゃんの住むマンションに泊まる予定だ。真ちゃんでなければ、抱かれるとわかっている日に焼肉なんて絶対に食べない。 まぁいいや、だって真ちゃんだもん。 会うたびに身体を求められていた1年前と比べ、回数と時間が比例するように短くなってゆく。今は、その行為自体にもマンネリを感じてしまう。 貪欲に求める心とは違い、辟易する身体。 真ちゃんほど私を大事にしてくれる人はいない。それなのに何故、心が満たされないの……?
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