第1章 愚痴からの脱出

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「すっかり餌付けされているね」 大須オーガニックドールズの練習日。私の話を聞いた伊東せながさらっと言った。 「餌付けって……! 猫じゃないんだから!」 「でもそのお菓子欲しさに話聞くんでしょ?」 むむむ……。返す言葉もない。 「お菓子欲しさじゃなくて……、う~ん最近はお菓子欲しいけどネガティブな言葉はあんまり聞きたくないかなって感じかな」 うん、それが本音だな。 美味しいお菓子が食べたい! 「相手を傷つけずにどういった話するのか、悩むよねぇ」 ピコピコとせなのスマホが鳴る。 「コスプレカフェでアルバイトしていた同期が妊娠で辞めるんだって。前から付き合っていた彼氏だろうな。お祝いしなきゃ」 いいな。そういうお祝いごとみたいな話。 私も愚痴よりもそっちの方がいいな。
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