その眼に再び灯を

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「僕に興味があるのかい?」 「あ…アンタを睨んでた訳じゃねぇんだ。」 何時の間にか目の前にいて微笑んでいる有栖に少し驚きつつも、ふぁぶれはぶっきらぼうにそう言う。 意図せずにも睨んでしまった事は気まずく思っているらしい。 「今更僕は改造した人達や昔の政府に何も思わないよ。それに、本来僕の戦いは終わって、眠りについたのだから。」 ふぁぶれの心情を解していたのか、有栖はそんなことを言う。 「『戦いが終わって、眠りについた』?」 「それは君たちのリーダーや他の人が揃ってから言うよ。君のリーダーにそうお願いされてるから。」 「リーダーが?」 そう、メンバーはまだ全員揃っていない。 揃っていないメンバーは『夜霧碧』『東雲八雲』『NnNn』『夜碧』『蘭らりあ』、更に買い物に行っている『碧海橙空』だ。 この内謎多き男『八雲』は恐らく来ないだろうから、実質5人だろうか。 数日前に、リーダーの夜霧から招集がかかったのだ。 無論『彼女』に関わることで、だ。 彼女を(不本意だが)起動させたちょこ饅頭と悠々とから事情を聞いた夜霧が直ぐに招集をかけたと言うのだから、もしかしたらリーダーは何かを知っている可能性もある。
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