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目覚まし時計の音がして目が覚めた。
午前六時。
いつものように少しだけ布団の上でごろごろしたあと、少女は起き上がった。
少女の隣には、いつもいるはずの母親が居なかった。
しかし、少女はあまり気にしなかった。
母親が帰ってこないことはよくあることだし、帰ってきていてもこの時間はいつも寝ている。
適当に朝ごはんを食べて、午前七時三十分。
少女は家を出た。
学校が始まるまでにはかなり時間があるが、少女にはやらなければならないことがあるのだった。
家を出て、少女は違和感を覚えた。
誰もいない。
家の前の道は決して人通りの多いところではない。
しかし、朝は多少なりとも車が走っていたり、通勤や通学で急ぐ人の姿を見ることができる。
それが今日は、あたりを見回しても人ひとりいないのだった。
そんな日もあるんだな。
少女は違和感を振り払い、学校へと歩き始めた。
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