カクリツ

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老人は再び姿を消した。 半分、やってみるか・・・ 上野はその後、自らの行動を「二択」に定めた。 電車で帰るか、バスで帰るか、 英美と会うか、このまま帰るか、 ご飯にするか、パンにするか、 上野は確率を誘導することによって、装置の判定も誘導していった。 そして、あと一日となった日。 上野は、自分の部屋に引きこもることにした。 これで、ずっと横になっていれば、確率が減ることは無い・・・ 上野が笑みを浮かべながら、思わず寝返った。 その時、 ガッ ん? 上野が見てみると、そこには、片腕の袖に棚のフックが引っ掛かっていた。 なんだ、これ・・ 上野がフックを解こうとした、その時 ブーン ん?まさか・・・ 上野はテーブルの上に置いた装置に目を向けた。 (-5671) 上野「えー!今のでぇー!」 老人「残念だったなあ」 突如、老人が現れた。 上野「ええー!何処から?」 老人「君は今から一週間、自ら(不幸)を作り、今までフイにした確率を取り戻すのだ、さもなくば、今まで起きた事のないような不幸が待ち受けるだろう」 老人は黒い霧となって消えて行った ワシはいつでもお前を見ているぞ・・・ それから一週間、 上野は、わざと道端のバケツに足を突っ込んだり、 水撒きに自ら足を差し出したり 飛んできたボールを顔から直撃したりして 装置のメーター数値を増やしていったとさ しょうもない。
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