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プレミアムflyday
月末の金曜日。巷ではプレミアムフライデーなるものが推進され、一部の大手企業が導入し始めた。だが、私のような小さな印刷会社に勤めるものには一切関係ない。日付がもうすぐ変わる。腕時計で時刻を確認し、地下鉄のホームに降りる。ひやりとしたホームに人の姿はなく、発車を待つシルバーの車体の電車が静かにいた。朝のせわしなく動き続けている姿と比べると、幾分ゆったりしているように感じる。耳を凝らせば鼻歌が聞こえてくるかもしれない。そんなことを思いながら、私は電車に乗り込んだ。
車内は終電間近だというのに思ったより人がいた。ネクタイを緩め、スーツを着崩したサラリーマン風の酔った男。帽子を深く被り、スマホに夢中な若い女。買い物袋を持った中年の女性。他にも寝ている人など、まばらではあるが席は埋まっていた。彼らもきっと私と同じようにプレミアムではない人たちなのだろう。勝手に仲間意識を抱き、私は空席に座った。溜まっていた疲れが体から染み出てくる。体が座席とくっつてしまいそうだ。
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