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彼の言葉の意味を考える間もなく、ジョンは軽くノックをすると、さっさと扉をあけて塔の内部へと入っていった。
戸惑いつつもあとに続いていくと、すぐ目の前に螺旋階段が現れた。
ジョンは迷わず階段に足をかけると、登り始める。
アイリーンは足を止めて、ジョンが行く方とは反対側に目をやった。
階段は地下へでも降りられるようになっているようで、下方へと続いている。
しかし、白い水がすぐそこまで迫っているせいで、途中から階段は水の底へと沈んでいるのだった。
潜らないことにはとても降りて行けそうにはない。
いったい何のために、このような造りになっているのだろう。
不思議に思いながらも階段から顔を上げて、ようやく歩き始めたものの、アイリーンの頭上にはまだまだ奇妙な光景が広がっていた。
どこまでも続きそうに長い螺旋階段。
その脇の棚には、ぎっしりとガラスの瓶が詰め込まれている。
どの瓶にも中のものを示しているらしいラベルが貼ってあったが、そこに書かれた文字は残念ながら、アイリーンには読むことが出来なかった。
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