90人が本棚に入れています
本棚に追加
白い肌に銀色の髪、それと同じ色のドレスを着た女は、黒い瞳でアイリーンを見つめ、黒い唇を動かした。
「最近手に入れたばかりの生き物なのよ。
美しいでしょう。
見えているかしら」
すぐには、女が何を言っているのか、アイリーンには理解できなかった。
しかし、女の目がじっとロビンの手の中のビンを見つめているのに気が付くと、ぎこちない動きでロビンに目くばせをして見せた。
ロビンはまるで熱にでも浮かされたように、ぼうっと女を見つめていたが、アイリーンが見ているのに気が付くと、ゆっくりと瓶を戻した。
「アナベル」
ジョンが言うと、女はにっこりと笑ってジョンに手を伸ばした。
「お久しぶり。
来ると思っていたわ」
ジョンは恐る恐る手をとり、その甲に唇をつけたが、すぐに手を離した。
「あの女好きが。珍しい」
ロビンがこっそりと耳打ちしてくるほどに、ジョンはアナベルに出来る限り近寄らないようにしているのが見て取れた。
「どうぞ、奥で話しましょう」
アナベルは言いながら背を向け、滑るように階段を上がり始めた。
腰まで届く髪が、まるで滝のように流れ落ちる。
4人は静かに、その後に続いた。
最初のコメントを投稿しよう!