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残念だという割に、嬉しそうに目を輝かせながら、アナベルは続けた。
「ジョンを連れて来ないと、あなたの命はない、とでも言われたのね。
期限はいつまでだって?」
「明日です」
目を丸くするアイリーンの隣で、ロビンが思わず
「すごい。なんで分かるんだ」
と呟くと、アナベルはにっこりとしてみせる。
すると途端にロビンの顔は熟したトマトよりも赤くなり、慌てて顔を背けた。
一方でダグラスは警戒心を隠すことなく、鋭い視線を、じっとアナベルへ注いでいる。
アナベルはそんな二人を見比べて、声に出して笑ってから、ゆっくりと立ち上がるとジョンの方へと近づいていった。
ジョンは両手を胸の前に上げて身構えたが、アナベルが目の前で立ち止まると、観念したようにだらりと下ろした。
「ちょっと失礼」
と言うなり、アナベルは彼のシャツに手をかけると、ほとんど引きちぎるようにして胸元まで開いた。
その突然の出来事にアイリーンは目を見張った。
ところが、それ以上に驚いたことには、彼の胸にも痣が花のような形に広がっていたのである。
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