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「私たちっていうのは、もちろん俺とアイリーンのことだろ?」
ジョンが嬉しそうに言うと
「当然、俺も入ってる!」
とロビンも手を上げる。
「どうもありがとう」
アイリーンは、にっこりと微笑んだ。
ジョンはアイリーンに身をもたれかかるようにして、ダグラスに得意気な視線を送っていた。
そんな様子をニヤニヤ笑いを浮かべながら見ていたアナベルが、ぼそりと言った。
「あら、仲間外れにされちゃったわね」
明らかに挑発するかのような目つきで、ダグラスを見つめているアナベルは、この厄介ごとを楽しんでいるようだった。
しかし、いつも何を考えているのか分からないほど無表情のダグラスが、そんな挑発にのるはずがない。
当たり前のようにそう考えていたものだから、ダグラスが眉を吊り上げてアイリーンの方へと手を伸ばしてきたのを見て、思わず小さな悲鳴を上げてしまった。
勢いよく強く腕を引かれたせいで、転びそうになりながら、よろよろとダグラスの背後へと回る。
ダグラスがジョンを睨む目は、当然アイリーンからは見えなかったが、余程恐ろしいものだったのだろう。
視線を受けていないロビンの方が首を縮めているのを見れば、簡単に想像がついた。
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