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「アイリーンが帰らないというなら仕方がない。
私も一緒に行こう」
「でも、コリンズさん」
とアイリーンは言いかけたが、ダグラスにチラリと見られると、それ以上言えなかった。
ジョンはアイリーンとダグラスを交互に見て、あからさまにため息をついたが、すぐに笑顔を作り直した。
「そうか。そう言ってくれて良かった。
ようやく、きみとも仲良くなれそうだ」
ジョンは右手を差し出したが、ダグラスはそれを一瞥をしただけだった。
ぴくりとも動かない彼の手をチラリと見て、ジョンは行き場のなくした自分の手をダラリと下ろした。
それから一つ息を吐くと、ずっと笑顔を浮かべて見ていたアナベルに向き直った。
「さあ、ようやく本題に入れる。
アナベル、今回きみに訊ねにきたことは他でもない。
俺が生き延びる為の方法だ」
ジョンは言ってから、ダグラスの鋭い視線を受けて、急いで言い直した。
「もちろん、俺とアイリーンが二人とも助かる方法っていう意味だけど」
アナベルは笑顔のまま、あっさりと言った。
「さっきも言ったけど、私に呪いを解くことはできないわ」
「じゃあ、どうすればいい」
「そうねえ……」
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