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生きた人間のように、はっきりとしてはいないし、影もない。
空気に透けるような肌。
肩より少し長い、ゆるくウェーブのかかった髪。
身につけているのは、この学校の制服のようだった。
『お姉さん…、ありがとう』
刀祢を見つめ、高い声で少女は言った。
『なんだか少し、楽になった気がする……久しぶりにこうして元の姿にもなれたし』
その言葉で、やはり先程のドロドロが彼女だったのだと分かった。
『あなたは、ここの生徒だったの?』
『……うん、そう。もう6年くらい前の話だけど』
---自殺か、事故か、病気か。
理由は分からないが、ここに当時のままこうして残っているという事は、彼女の命が6年前に絶たれたという事だ。
『…何か、やり残した事があるのね』
刀祢の言葉に、少女の姿をした霊はコクリと頷いてみせた。
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