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--変化は突然訪れた。
嵐のように、「彼女」はやってきた。
強い、強い意思を瞳に宿し、ある晩一人の少女が音楽室の扉を開けた。
少女の後ろには、隠れるようにして一人の少年が立っている。
彼らが演奏会の客でない事は、すぐに分かった。
何故なら、彼らはまだ生きている人間だったから。
加えて少女の挑戦的な眼差しが、刀祢の心をざわつかせた。
刀祢の笛を聴きにきていた霊たちが、落ち着かない様子で空気を揺らしている。
---(大丈夫よ…)
声に出さずに霊たちにそう言い、刀祢は入り口に佇む二人を見据えた。
『人の子が、このような刻限に何のご用でしょう』
刀祢の問い掛けに、少女は面白そうに唇の端を釣り上げて問い返す。
『あら、自分の通う高校に来て何が悪いのかしら。それよりあなたこそ、人でないものが人間の学校に何のご用?』
悪びれもせず言いながら彼女が上着のポケットから取り出したのは、折り畳まれた数枚の紙だった。
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