王子様

21/31
前へ
/45ページ
次へ
どれくらいの時間がたったのだろう。 夕暮れが終わり、夜が更に近づいていた頃。 「じゃあ、美依……そろそろ帰ろうか。」 そんな声が聞こえてきた頃だった。 「いや……すごい申し訳ないんだけど、別々に帰りたいな。」 「……そっか、じゃあ俺は少し待ってから帰るよ。」 「うん、ありがとう。……さすがの私もフラれた直後に並んで帰れないからさ。」 少し寂しそうな声からして、麻木先輩はまだ想いが強いと感じた。 「うん……じゃあ、また明日……な?」 優しく微笑みかける竜崎先輩は、本当に王子様みたいだった。 「うん……また明日……。」 ,
/45ページ

最初のコメントを投稿しよう!

5人が本棚に入れています
本棚に追加