王子様

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まだ春の香りが残る五月。 今日もまた、王子様が女子生徒に呼び出されていた。 「あの……好きです!」 女の子らしい高めの声。 でも残念。 あたしより何倍も可愛くない。 「ありがとう、君の気持ちは嬉しいよ。」 王子様はあんな子にも優しい。 「でもごめんね。」 あれくらいの顔で告白する方が変なのよ。 「まだ……好きでいていいですか?」 気づかないの? あんたじゃ王子様に釣り合わないって。 「うん、かまわないよ。」 王子様はいつも優しい。 そういうところも大好きよ。 ,
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