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◇
小田切慧(おだぎりさとし)、大学三年生。
現在の僕は親元を離れ、古い安アパートで一人暮らしをしている。
その日は大学のサークルでの飲み会があった。
終電を逃してしまった僕は、仕方なく「泊めてやる」と言ってくれた友人宅にお邪魔する事にした。
その友人である彼、橘由也(たちばなゆうや)は、所謂イケメンと言うやつだ。
女子からの人気はもちろんの事、そのさっぱりとして気のいい性格は同性からも好かれている。
由也は学校から程近い自宅通いで、家は一軒家。
父親は単身赴任、母親は実家に帰っているらしく、今は家に誰もいないと言う。
その後も僕らは彼の部屋で少し飲んだ。
ぐだくだ無駄話をしている内に、うつらうつらと、そのまま僕らはいつの間にか寝入ってしまった。
ことん
そんな小さな物音で、僕は目を覚ました。
その音に対しては、特別気に止めはしなかったけれども。
物はついでだとばかりに、僕はトイレへ行こうと立ち上がった。
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