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バキッという鈍い音と強い衝撃の後に頬が熱く、そして痛み出してきた。
すぐ傍には頭と顔の半分を包帯で覆った少女がいる。
「ごめんなさい」
俺は思わず謝罪の言葉を口にした。
そして、もう止まらなかった。
「ごめんなさい!ごめんなさい!ごめんなさい!すみませんでした!本当にすみませんでした!本当にすみませんでした!俺があんなことしなければ!俺があんなバカなことしなければ!……」
最初は頭を下げるだけだった謝罪も、とうとう土下座した状態での謝罪になった。
それでも俺の頭には容赦ない足蹴が続いた。
そうなってもおかしくないことを俺はしでかしたからだ。
自分でもわかっている。
なんであんなバカな真似をしたんだろう、と。
俺はひたすら後悔し、ただただ謝り続けるしかなかった。
この何の罪もない少女に対して行った過ちを。
もう再び目を覚ますことすら出来ない――身体は生きていても、脳が死んでしまった状態の少女とその家族に。
俺は、謝ることしか出来なかった……
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