恋心×2

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本命じゃないと報われない。 そんなこと誰が決めたのか? 綾乃は鏡の前で問い掛けた。 もし自分が彼女だったら大変。 女子力を上げることで必死。 メイクもトークも気を使う。 でもこれはデートじゃないから。 いつもの仲間と一緒にいるだけ。 となると、自然体でいられる。 さてお手洗いから席に戻ろう。 メンバーは気がついたら十数名。 お酒も入って盛り上がっている。 人気者の直樹は話の中心に…。 笑いながらも顔を見つめられる。 髪の毛、いつ切ったのかなぁ~。 ちょっと痩せたかもしれない。 彼女ならしょっ中、確認出来る。 たぶん私が会えるのは半分以下。 でもだからこそ、いつも楽しく! 直樹を温かく見守っている。 時々、嫉妬も隠せないけど…。 満たされないから常に新鮮。 満月より三日月~半月。 満開より三部咲き~五分咲き。 半分以下でも二倍の想い。 きっと直樹は気がついている。 綾乃は心の中で確信していた。
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