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本命じゃないと報われない。
そんなこと誰が決めたのか?
綾乃は鏡の前で問い掛けた。
もし自分が彼女だったら大変。
女子力を上げることで必死。
メイクもトークも気を使う。
でもこれはデートじゃないから。
いつもの仲間と一緒にいるだけ。
となると、自然体でいられる。
さてお手洗いから席に戻ろう。
メンバーは気がついたら十数名。
お酒も入って盛り上がっている。
人気者の直樹は話の中心に…。
笑いながらも顔を見つめられる。
髪の毛、いつ切ったのかなぁ~。
ちょっと痩せたかもしれない。
彼女ならしょっ中、確認出来る。
たぶん私が会えるのは半分以下。
でもだからこそ、いつも楽しく!
直樹を温かく見守っている。
時々、嫉妬も隠せないけど…。
満たされないから常に新鮮。
満月より三日月~半月。
満開より三部咲き~五分咲き。
半分以下でも二倍の想い。
きっと直樹は気がついている。
綾乃は心の中で確信していた。
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