半分と2分の1と

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小学校低学年。毎日、朝が来ることを知り、季節があることを知り、命があることを知った。でもまだ世間を知らず、夢の中のようにふわふわしていた。 当たり前のように学校に通い、学校に通うことが日常で、行くことを疑うことすらしなかった。学校で教わることは絶対だった。 帰りの会の時にアンケートだと言ってプリントが配られた。テストではないと、メガネの印象しかない先生が、何度も、何度も繰り返し説明している。 茶色いざらざらしたプリント用紙。 懐かしいプリントって言葉。永遠だと思っていたのに、大人になってからは使ったことがない。社会に出たらプリントって言葉は使ってはいけないのだろうか。みんなでなかった事にしようしているのだろうか。遠い、遠い、奥深くにある言葉になってしまった。
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