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だからオレ、半分くらい残っていたアイスをグッと握りしめて、そのまま勢いよくに口に流し込んだ。
一気に口の中が冷たくなったけど、そんなのお構いなしに口いっぱいに入れたアイスとごくん、と飲み込むと、頭がキンキンし出して、あまりの痛みに思わずうずくまった。
「ちょっと大丈夫!?」
「いちちちち……」
「そんな慌てて食べなくても…」
「あー! お姉ちゃんのくれたアイス、美味しかったなー! あのお兄ちゃんにアイスあげないでくれて、本当によかったなー!」
「えっ?」
オレは真っ青な世界に向かって、大きなひとりごとを思いっきり叫んだ。
「あのお兄ちゃんもバカだなー! オレがぜんぶ食べちゃったもんね! ざまあみろ!」
だってオレ、知ってるもん。だからワザと大きな声で叫んだんだ。
お姉ちゃんがアイスをくれるちょっと前、ばば屋の前を通り過ぎた高校生のお兄さんとお姉ちゃんとは別のお姉さん。
二人が仲よさそうに歩いているのを遠くから寂しそうに眺めていたもんね。
オレは驚いているお姉ちゃんに振り向くと親指を立ててやった。
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