9years summer

6/6
前へ
/6ページ
次へ
「夏は始まったばかりだぜ」 「あはは。小学生のくせに生意気」 「だってオレ、マセてるもん」  少しまぶたを濡らしたお姉ちゃんは僕のおでこを小突いて笑った。でも、さっきより100万倍、ステキな笑顔をしてる。  するとお姉ちゃんは「さてと」と呟いてベンチから立ち上がった。セーラー服の白が真っ青な世界に映えて、とても綺麗に見えた。 「ありがとね」 「へへっ」 「おかげでなんかスッキリしたよ。さて、受験でも頑張るかなー」  そう言って、お姉ちゃんは両腕を空に上げて、気持ち良さように伸びをとった。その時、セーラー服とスカートの隙間から、おへそが見えて思わずドキッとした。  でもオレ的には風が吹いてスカートがめくれた方が嬉しかったかも。  だけど、そんな気持ちは心の奥底に閉まって、オレはニカッと笑って、お姉ちゃんに向かってピースサインをした。 9歳の夏〜初恋〜 終わり
/6ページ

最初のコメントを投稿しよう!

20人が本棚に入れています
本棚に追加