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「夏は始まったばかりだぜ」
「あはは。小学生のくせに生意気」
「だってオレ、マセてるもん」
少しまぶたを濡らしたお姉ちゃんは僕のおでこを小突いて笑った。でも、さっきより100万倍、ステキな笑顔をしてる。
するとお姉ちゃんは「さてと」と呟いてベンチから立ち上がった。セーラー服の白が真っ青な世界に映えて、とても綺麗に見えた。
「ありがとね」
「へへっ」
「おかげでなんかスッキリしたよ。さて、受験でも頑張るかなー」
そう言って、お姉ちゃんは両腕を空に上げて、気持ち良さように伸びをとった。その時、セーラー服とスカートの隙間から、おへそが見えて思わずドキッとした。
でもオレ的には風が吹いてスカートがめくれた方が嬉しかったかも。
だけど、そんな気持ちは心の奥底に閉まって、オレはニカッと笑って、お姉ちゃんに向かってピースサインをした。
9歳の夏〜初恋〜
終わり
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