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究極の選択
究極の選択がやってきた
俺はまさに今、究極の選択に悩んでるんだ。
俺の名はイチロー。
双子のジローとは一卵性だがあんまり似ているとは思えない。
容姿はソックリだけど性格や趣味嗜好はまるで違う。
不思議なもんだ。
このたび長年いがみ合ってた両親が離婚することになり、俺は父親で弟は母親
といった具合に二つの家族に分かれることになった。
別にそこは揉めちゃいない。
だって俺は昔から父親の方が話も合うし、尊敬もしてる。
ジローは昔っから母親にべったりでまるで、まるで恋人同士のようだと揶揄されていた。
家具や家電なんかは意外にすんなり二つの家族に分けることができた。
ただ揉めたのは俺たちの服だ。
おしゃれが好きな俺たちは少ない小遣いで吟味して服を買った。
仲がそんなに良くなかったせいかおそろいの服は1着も持っていない。
クローゼットは狭いし、体型はどうせ同じだしってことで服は完全に共有していた。
ズボンはお互いお気に入りがあるのですんなり分けられたが、問題はシャツだった。
お互いどの服にも愛着があるし、どれも譲りたくない。
全部欲しい、それが正直なところだった。頑固さは数少ない俺達の似た部分だろう。
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