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「後始末は頼んだぜ、岡田のダンナ」
ジュウベイはそう言って、バレットを分解するとボストンバックに詰め込み立ち上がる。停止した電車の運転席から、こちらに手を振るメイド姿のツインテール少女がいた。その姿を目にしたジュウベイがピアスをした左耳に指輪をはめた左手を当てると鼓膜に少女の声が飛び込んでくる。
「ジュウベイ!!、お疲れ様、相変わらず見事ね!!」
「ソニア、お前さんに誉められても嬉しくないが、礼はいわねぇとな、今回も助かったぜ……」
ジュウベイは線路越しにソニアを見ながらボソボソと喋っている。はっ、とした岡田はスーツ下のガンホルダーから拳銃を抜き取りジュウベイに向け構えた。
「ん、ちょっと待ってくれソニア」
訝しげな表情で岡田を見ながらジュウベイは口を開く。仕方がないといった態度で肩をすくめていた。
「岡田のダンナ、やめとけ俺と殺り合うのは高くつくぜ……」
「相手はテロリストとはいえ、殺人を犯した人間を見逃す訳にはいかない」
「はぁ……、全く日本人ってのは、真面目だねぇ、頭が下がるよ」
その時、岡田のスマホが着信音を奏で始める。スマホを取りだし耳に当てた彼は慌てて、ソニアの方を向いた。
「ハロー、イケメン警察官さん、その人を敵に廻すのは非常に危険よ、お分かり?、命が欲しかったら、黙って行かせてあげて!!」
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