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「まぁ、隣で見てな、その非科学的なやり方でヤツを仕留めてやるよ」
岡田は、そう言うジュウベイの横顔を眺めながら背筋に冷たいモノが走るのを感じていた。その表情は殺し屋と言うより、剣豪と呼んだ方が相応しい雰囲気が漂っていた。
「呪いかどうかは、別にして成功したら認めてやる」
岡田のそんな口上にジュウベイは軽く口笛を吹きながら、笑って返す。
「ほぅ!?、ずいぶんと上から目線の言い方だねぇ、科学っていう宗教に毒された現代人の悪いクセだねぇ」
「貴様、ふざけるのもいいが、きっちりと仕事はしてもらうぞ」
岡田の厳しい視線に晒されても悠然とした態度で物事を進めるジュウベイに岡田は焦りを覚える。そんな彼を見透かした様にジュウベイはシガレットケースから葉巻を取りだし先っぽをカットすると火を付け、燻らせ初めた。
「岡田のダンナ、慌てなくても、ホシは電車でこちらに向かってるんだ、静かに待ってりゃあいい」
眼帯を外した左目の金色の瞳で見すくめられると、岡田は本能的に身構えてしまう。死を恐れる生き物の本能だろうか?。
「この厄介な目のお陰で、ずいぶん殺しちまったぜ」
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