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眩しい室内灯の白い光に、目を細める。
どうやら俺は、二缶目を開けた辺りで寝てしまっていたらしい。
片付けて、今日はもう寝よう。
テレビを消した、そのとき――
鈍く短い音。
なにかは分からないが、異音がした。
壁を叩くような、いや……浴室のガラス戸を叩く音にも聞こえたような?
恐る恐るそちらを警戒しながら、近づいていく。
自分の立てる物音はなるべく消して、もし何かいるのだとしたら、そいつに悟られないように……。
浴室の方を見ても、真っ暗なままだった。
明かりをつけてみても、やはり何もいない。
「……疲れてるな」
完全に、疲れているようだ。
ちゃんと戸締まりもしたし、こんな狭いワンルームに隠れられるような場所も無い。
最初から、俺以外に誰も居るわけないじゃないか。
もう、寝ることにしよう。
今日は、もう全てが面倒だ。
俺は電気を消して、ベッドに倒れ込み、すぐに寝息をたて始めた……。
部屋に訪れる静寂と、暗闇。
疲労から身体は重くなり、ベッドに沈んでいく。
――唐突に、木の爆ぜるような音がした。
ベッドとは反対側の、天井の方から。
ラップ音……て、やつかな?
気にせずまた目を閉じる。
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