嘘吐きは呪いの始まり

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「……たく、リサのやつ最近ウゼーよなぁ。マタニティブルーってやつかよ」 ねえねえ。 「……あ?」 あなた、嘘ついたわね。 駅前で会ってたのは確か……お友達じゃなかったかしら? 彼女の。 「……っ、あ……、あ……っ」 あら、あたしを見て腰を抜かすなんて失礼な人ね。 まあ、いいわ。慣れっこだし。 それよりも、こんな話は知ってるかしら。 「……く、来んなよ……っ、寄るな……っ!」 ウソツキハネ、ノロイノハジマリナノヨ 「来んな……! 来んなよ……化け物……っ」 あたしはね、ここが大好きなの。 ここは温かくて、優しくて、出来ることならずっとずっと、あたしはここにいたかった。 「……あ、あ……たす、け……リサ……」 柔らかい、温かい。 でもおかしいわ。 あたしが居た場所がないなんて。 もっと奥かしら、もう、この細長い何かはいっつも邪魔ね。 「リ……サ……」 やっぱりない。 あの人じゃないからかしら。 残念だなあ。 またハズレちゃった。
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