出会い

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私は、女子校に入って本当によかったと思った。 その頃の私は、友だち同士でショッピングに言ったり、買い食いをするのが楽しくて楽しくて仕方がなかった。 街で売ってる服なんて素敵なものばかりで、どれにしたらいいか決められないときがある。 だから、ついつい買いすぎちゃってお金が足りなくなることがよくあった。 だって、可愛い服はあまりにも多いし、ひとつに決めるなんて無理でしょう? そんな時、デパートなんかだと、私はたいてい外商の人にお願いして、家にもって帰らせてもらうことにしていた。 パパはクレジットカードを持つのはまだ早い、って言うし、お金がなければ服は買えないし、仕方がないよね。 おしゃれに目覚めたばかりのころだったから、お買い物の仕方もずいぶん下手だったんじゃないかと思う。 無駄遣いが多くてパパが呆れることがよくあった。 でも、ママの子どもだからしょうがないでしょ、って私が言うと、パパは苦笑いをしながらそうだなぁ、としぶしぶ認めていた。 私がよくお金を使ったのはそれだけじゃない。 一緒に遊ぶ友だちがお金がなくて遊べないときは、私がおごってあげることもあった。 だって、私がおごれば彼女たちと一緒に楽しく遊べるし、うちにはたくさんお金があったから、これぐらいのことはどうってことなかったのよ。
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